2014年6月19日木曜日

ZAZEN BOYSの「はあとぶれいく」ってNew Order「Perfect Kiss」に似てない?

久しぶりにZAZEN BOYSの「はあとぶれいく」を聴いていてふとNew Orderの「Perfect Kiss」に似ているな…と感じた。





しかし検索しても誰もそんなこと言っていない。まあ四つ打ちでメインリフの音が似てるだけなんだけど…。だがインターネットは共感のメディアだ。俺の感じたことが例えトンチンカンでも書き残しておけばいずれ誰か共感する人が現れると信じている。


ところで今回「はあとぶれいく」について調べていて向井秀徳のインタビューで興味深い発言を見つけた。

向井秀徳:非常にシンプルな音作りになったですね。毎度リフを主体にしているんですけれども、さらにリフをメインにしたバンドサウンドになっています。一発リフができて、自分的にかっこいいと。何よりこのリフを弾いたら気持ちいい。じゃあ何回も繰り返そう。それで形になったかもしれません。 
「はあとぶれいく」という曲は、完全にひとつのリフが回転していくだけの曲で、一回も展開しない訳ですよ。そこにメロディを乗せて、どれだけ感情豊かな曲にできるのか。そういう意図があるかもしれませんね。
http://www.billboard-japan.com/special/detail/223

ZAZENの歌モノと言えば初期の名曲「KIMOCHI」だがあれもリフ一つが延々繰り返されるだけなのにとても感情豊かな曲だ。「KIMOCHI」はちょうどナンバーガールとZAZENのブリッジのような曲だと思っている。向井氏が実は本来持っている甘酸っぱいメロディセンスと怒涛のようなインプロヴィゼーションが一つのリフという制約の中で同居している。

このブリッジを渡り切った先のアルバム「Ⅱ」で彼らは完全なるZAZEN BOYSサウンドを確立していくことになる。しかし現メンバーのバンドアンサンブルが完璧に極まった状態で「KIMOCHI」と同じアプローチをしたら却って初期ナンバーガールのような原点回帰的な音像になったのはとても面白い。

伝達できん自分にハラが立つ
生まれ育ったその環境、歴史、思想すべて
ブチ込んで表すことができればいい
意味が分からん言葉で意思の疎通を計りたい 
犬猫畜生と分かち合いたいのだ
貴様に伝えたい 俺のこのキモチを
「KIMOCHI」ZAZEN BOYS


俺の「はあとぶれいくはPerfect Kissに似てる」というKIMOCHIも貴様に伝えたい。






ちなみに今回調べていて同じ「Perfect Kiss」というタイトルで全然違う別の曲があることを知った。
それはアニメ「お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!」の登場人物、土浦彩葉(CV:井上麻里奈)のキャラソンだ。



しかしひと通り聞いてみてこれはNew Orderへのオマージュとリスペクトにあふれる曲だということがわかる。

以下にその理由を挙げる。


「誘ってあげたい手に手を取れば 異国も怖くない 異星にだって行けちゃう」の部分が「I know you know. We believe in a land of love」(君も僕もみんな愛の国があると信じている)と呼応している。


●ストーカー気質の幼馴染みである土浦彩葉が主人公と「事故のふりしたPerfect Kiss」をキメたいというちょっと危険な内容の歌詞だが「Now I know the perfect kiss is the kiss of death」(今ならわかる。パーフェクトなキスとは死のキスだ)という歌詞をベースにしていることがわかる。


●間奏のベースラインがフッキーの高音域を多用する独特の演奏法の引用だ。


「感じてた淋しさを告げるのは言葉の無駄遣い それより1秒でも長く未来を語ろう きっとほんとの約束はひとつだけ」という歌詞は明らかにイアン・カーティスを失ったJoy Divisionが「メンバーが一人でも欠けたらJoy Divisionの名前でバンド活動は行わない」という約束を守りNew Orderを結成した経緯を描写している。


事程左様に「Perfect Kiss」土浦彩葉(CV:井上麻里奈)はNew Order「Perfect Kiss」に対するアンサーソングであるというのは明らかだ。



うむ。
このKIMOCHIは貴様に伝わらなくてもいい。