2016年7月5日火曜日

なぜだ!謎の大御所俳優吹替ブーム!

こんにちは。ビニールタッキーです。

今、時代は空前の大御所吹替ブームですね。


急に何を言ってるんだ?という方もいらっしゃるかと思いますが耳の早い人や流行に敏感な方は「ああ、あれネ」と頷いていることでしょう。

僕がこのブームに気付いたきっかけはこちらのニュースです。

『X-MEN』史上最強の神に松平健!洋画吹き替え初挑戦

 シリーズ最新作『X-MEN:アポカリプス』でミュータントの始祖にして、史上最強の神・アポカリプスの日本語吹き替え声優を、俳優の松平健が務めることが明らかになった。洋画吹き替え初挑戦となる松平は、「何しろ初挑戦なので、全力で努めたい」と意気込んだ。 
 最古最強の“神”という悪役を担当することになった松平は、「自分の中では世界各国が核開発を進め、互いにけん制しあい間違った方向へ進んでいる人間社会を滅ぼすというアポカリプスの中での正義という気持ちです。ただそれが人間やミュータントと対立しあう結果につながるわけですが、大いに暴れたいと思います」と現代社会になぞらえて役どころを解釈し、やる気十分。
マツケンがアポカリプス!「上様が神様に!」と暴れん坊将軍クラスタが騒ぎ「おもしれえじゃねえか」と暴れん坊力士クラスタが喝采を上げる事態になりました。僕もその1人でした。

これを見た当初は『デッドプール』でタレント吹替しなかった20世紀フォックスがこれのために力(ギャラ)を貯めていたのか!という感想を抱く程度のニュースでした。

しかしこのわずか3日後にこのニュースが流れたのです。

松本幸四郎、『ジャングル・ブック』で吹き替え初挑戦!黒ヒョウ役で主人公導く


俳優の松本幸四郎(73)が、ディズニー最新の実写映画『ジャングル・ブック』で、主人公を導く黒ヒョウ・バギーラ役で洋画の吹き替えに初挑戦していることが明らかになった。松本は、声の演技を「非常に難しかった」と振り返りつつ、「役者にとってこれは必要なことと感じました」と語っている。 
歌舞伎界を代表する俳優として60年以上活躍する松本は、今回、実写声優に初めて臨んだ。『アナと雪の女王』でエルサの声を演じた娘の松たか子からは、「ディズニー作品の吹き替えは大変よ」と聞いていたといい、実際にアフレコを経験し「非常に難しかったですが、役者にとってこれは必要なことと感じました。中学生の頃ラジオドラマをやっていたのですが、役者としての原点であるその経験が活かされました」としみじみ振り返る。 
 また、黒ヒョウ役については「中学校の頃には『黒ヒョウ』という愛称で呼ばれていたということもあり、驚きはしたが、違和感なく受け入れられました」と明かす。さらに、「バギーラ自身も、後半は年老いて傷ついて、老いたる黒ヒョウになっていく。そういうところがとっても悲しいのだけれども、何か、やっぱり命っていいものだなと感じました」と思いを語り、「今回、バギーラの声と作品中のナレーションも務めさせていただき、大変難しかったですが、心に残る素晴らしいいい仕事をさせてもらいました」とメッセージを寄せている。
松本幸四郎が中学生時代に黒ヒョウと呼ばれていたというエピソードも中々アツいですが俳優生活60年で実写声優は初挑戦という話も驚きです。


いやいやそんなことより、

大御所俳優の吹替多くね?

えなにもしかして流行ってんの?


ということで調べてみました。検索ワードは「吹替 初挑戦」「(大御所俳優名) 吹替」です。

『なぜ生きる-蓮如上人と吉崎炎上-』里見浩太朗インタビュー


浄土真宗の開祖、親鸞聖人の教えを広めた蓮如上人と、その弟子たちとの物語を描くアニメーション映画『なぜ生きる』が公開される。原作はベストセラー書籍「なぜ生きる」で、蓮如上人の声をあてたのは『長七郎江戸日記』『水戸黄門』など多くの代表作を持つベテラン、里見浩太朗だ。 
キャリア60年を迎えた里見だが、意外なことにアニメ声優はこれが初。本作への思いはもちろん、里見とは切っても切れない時代劇の魅力、『リーガル・ハイ』で人気を博した“服部さん”についても直撃。「常にデビューですよ」とほほ笑む姿からは、あくなき探究心が伝わってきた。
なんとこちらもキャリア60年でアニメ声優初挑戦!何が黄門様を突き動かしたのか!?ブーム?ブームのあおりか?


津川雅彦、75歳で初カンヌへ!アニメ映画版「星の王子さま」声優が発表


映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』の日本語吹き替え版主要キャストに、鈴木梨央(10)、瀬戸朝香(38)、津川雅彦(75)が決定したことがわかった。三人は、同作のワールドプレミアが行われる第68回カンヌ国際映画祭にも参加する。津川を含めて三人とも、海外の映画祭に出席するのは初めて。津川は「海外映画祭はカンヌに限らず75歳にして初めて! これ王子さまのプレゼントかも?」と喜びを明かしている。

芸歴が長い津川雅彦も映画祭出席はこれが初めてとは。長生きはしてみるものなのかもしれません。


西田敏行が世渡り上手で陽気なクマに!「ジャングル・ブック」吹き替えで歌声披露


俳優の西田敏行が、ウォルト・ディズニーの「ジャングル・ブック」で初めて実写映画の日本語吹き替えに挑戦していることがわかった。主人公の少年モーグリの1番の友人で陽気なクマのバルーの声を担当し、劇中で歌声も披露する。 
西田は、バルーを「掟が厳しいジャングルのなかでも割と自由に、ときどきはみ出しながらもゆるーく守り生きている世渡り上手で憎めないクマ」「モーグリにとって、一緒に肩を組んで歌でも歌いながら仲良く歩いてくれるいい友だち」と分析。さらに「バルーはもう、ほとんど俺ですね」「バルーを演じるということは、西田敏行を演じればいいんだ、という楽な気持ちでやりました!」とキャラクターと自らを重ね、仕上がりに自信をのぞかせている。
先ほど取り上げた松本幸四郎も参加する『ジャングル・ブック』に西田敏行も参戦!
これはやはり吹替版で見なければ!!


“元Folder 5”満島ひかりが「ONE PIECE」劇場版に!濱田岳、菜々緒、北大路欣也ら豪華声優陣


満島ひかり、濱田岳、菜々緒、北大路欣也が、尾田栄一郎による人気コミックの劇場アニメ最新作『ONE PIECE FILM GOLD』に声優として出演することが明らかになった。アニメ声優初挑戦となる満島は、Folder 5 としてテレビアニメ版の2代目主題歌「Believe」を歌ったことがあり、再び同作に関われることの喜びを語っている。 
(中略)さらに、伝説のギャンブラー、レイズ・マックスの声を北大路が担当する。北大路は自身が務めるオリジナルキャラクターの演じ方について、楽しみに策を練っているとのことだ。
今の若い人は北大路欣也はむしろ吹替の人という印象かもしれませんが…


八代亜紀が本人役で「ファインディング・ドリー」出演、初登場シーン公開


「ファインディング・ドリー」の日本版エンディングテーマ「アンフォゲッタブル」を歌う八代亜紀が、本人役で声の出演をしていることがわかった。このたび八代の初登場シーンがYouTubeにて公開された。 
八代の役どころは海洋生物研究所でアナウンス役を務める女性。公開された映像には「こんにちは。八代亜紀です」と名乗る女性の声に、海の中で迷子になったドリーが「ああ、どうも、八代さん。助けてもらえない?」と返すシーンが収められた。本作では各国の著名人が本人役として同役を演じており、字幕版では「エイリアン」のシガニー・ウィーバーが起用されている。 
八代はアフレコの苦労について「監督に『八代亜紀の“声”のまま淡々とした感じで』と言われたんです。歌ではずっと抑揚をつけるということを何十年もしていますから、抑揚がいらないと言われてとても難しかったですね」と明かしている。
ナット・キング・コールの「アンフォゲッタブル」を最近ジャズアルバムで人気の八代亜紀に歌わせるという話までは理解してましたがまさか本人役で声優初挑戦とは誰が予想したでしょうか。あとこれは本筋と関係ありませんが最近のシガニー・ウィーバーはチョイ役出演が好きすぎ!


しかし…なんか多いなおい!今挙げた5つの例はだいたい1年以内のニュースです。
なぜここに来て急に増えたのか。理由を自分なりに考えてみました。

①老声優さんが少ない説
悲しい話なのですが一般的に声優さんといえばなぜか短命という通説があります。ここ数年でも多くの名声優さんが亡くなりました。しかし大御所俳優さんが演じているキャラクターを見るとどうしても老人演技でなければならないという感じはありません。あとおじさま声優はみなさん現役で異様に元気です。

参考:おじさま声優たちが、見た目と声と実年齢が合わなさ過ぎる化け物


②活躍の場を広げる説
昔に比べて大御所俳優さんの活躍するような時代劇や重厚なドラマは少なくなりました。そのため活躍の場を広げるという意味で吹替に初挑戦したりしてるのかもしれません。しかし大御所俳優さんはギャラも極めて大御所なため、「この映画の吹替やりたいね」と言って簡単に出れるとは思えません。確実なソースが見つからなかったのですが、『龍が如く』シリーズに渡哲也を呼んだ時は家一つぐらい買えるギャラだったという話を読んだことがあります。


③話題性先行説
色々言ってきましたがこれが真相だと思います。例えば「あの有名声優が吹替!」というニュースよりも「あの大御所俳優が吹替!」というニュースの方が取り扱う媒体も誌面の規模も段違いです。また、子ども向け映画の場合、実際に子どもたちを劇場に連れて行くのは親御さんや祖父母という特性を活かして、むしろそういう層に訴求力がある大御所俳優を使った方が宣伝として効果があるということなのかもしれません。

あとこれは想像ですが、広告代理店が例の北大路欣也に犬の吹替をやらせたCMが世間的にウケていると思っているのでは…と考えています。実際にCM好感度でも常に1、2位にランク入りするCMですので「世間が大御所俳優吹替を求めている」というリサーチ結果に至ったとして不思議ではありません。もしかすると大御所吹替ブームは我々一般大衆があのCMに喜んだせいで引き起こしたブームなのかもしれません。


大御所俳優さんが年老いてもなお新しいことに挑戦する姿は本当に素晴らしいと思います。実際に声優演技を聞いてみるとものすごく上手なこともあります。ただ、それを発揮するのは別の場所でもいいんですよ、と思ってしまうこともあります。特に大御所ともなると知名度が極めて高いため、映画を見ている間にその俳優さんの顔がちらついてしまうことがあります。その方が映画を多角的に楽しめるという意見もありますが、そんな楽しみ方より物語世界に没入したいという映画ファンが多いと思います。

大御所吹替ブームについて色々考えてみましたが、個人的にはX-MENを見ている間に八代将軍徳川吉宗の顔がちらつく現象はメチャクチャ面白いので楽しみです。もしかすると普段映画を見ない普通の人たちもそんな感じで大御所吹替を楽しんでいるのかもしれませんね。

2016年6月16日木曜日

クソ丁寧で誠実な宣伝ですけど何か?『デッドプール』







こんちには。ビニールタッキーです。

『デッドプール』最高でしたね。もう日本公開が発表されてからずーっと楽しみでした。公開日にレイトショーで見に行ったのですが劇場にいたカップル、ボンクラそうな男ども、僕みたいな独り者、みんな大爆笑で盛り上がるという最高の体験が出来ました。もう本当に楽しかった!

しかし楽しかったのは映画だけではありません。宣伝がとにかく楽しかった!
僕はタレントやお笑い芸人が出てきて映画と関係ない話をするような"おもしろ映画宣伝"をニヤニヤ眺める趣味を持っているのですが、『デッドプール』に関しては「これは…いい方向のニヤニヤだぞ!」「というか普通に丁寧な宣伝だぞ!」と思うことが多く、これはぜひ後世の人達のために、というか日本の映画宣伝のために書き残しておいた方がいいぞ!と思ったので以下にまとめてみました。

【ここがえらいよ『デッドプール』日本宣伝】


①ターゲット戦略が明確でえらい
話題作の日本公開…となると宣伝費も興行収入のノルマもデカすぎるのか、タレントに吹替させたり日本版オリジナル主題歌を付けたりしがちですが、そこは低予算でお下品でR指定までついた『デッドプール』。しかも日本での知名度も低い。当然宣伝費も相当低く割り当てられたと考えられます。

そこでどうしたか。
まず一つ。デップーを既に知っているアメコミファン、アメコミ映画が好きな映画ファン、そしてTVアニメ「ディスクウォーズアベンジャーズ」でデップーファンになったアニメファンといった、コアでニッチな層が喜ぶような宣伝方法を選びました。確かに彼らは狭くて規模の小さいコア層なのですが、彼らはSNSとの親和性が極めて高いためネット上でバズを起こしやすい層なのです。彼らの間で話題になれば莫大な宣伝費を使うことなく評判が猛烈に拡散します。(具体例については後述します)

もう一つ。巨大アドトラックやおもしろポスターといった街行く人の目を引く広告方法を取りました。


映画「DEADPOOL」宣伝用巨大フィギュア製作しました!

例えば莫大な宣伝費があればTVCMを全国ネットで流してお茶の間に広めることが出来ますが、何度も言いますが低予算映画の『デッドプール』。そんなお金ありません。そこで街行く人が見かけて思わず写真付きでツイートしたくなるような広告を作りました。

 
母の日の期間に貼られたこのポスターも最高でした。劇中でも何回もマザファッカーって言ってましたね。


デップーちゃんとTOHOシネマズのロゴってデザインが似てるからコラボしたらいいのに…とみんなが感じていたら当然やる!それがデッドプール!


こちらはうちの近所の映画館の立て看板ですが『ズートピア』を見た直後にこれを見た時は吹き出してしまいました。劇場スタッフの遊び心もくすぐるとはナイスな立て看板!


大手シネコンではポスターの文言がその場所にちなんだダジャレになっているという小ネタがありました。たぶん他の映画だったらこんな安易なギャグはイラッと来るのかもしれませんが、そこはデッドプール。役得という感じです。実際にまとめた方がいらっしゃいますのでぜひご覧ください。

デッドプールご当地限定ポスターまとめ

この様によく知らない一般の人でさえも「なんだあれwww」「こんなの見かけた!」とツイートすることでTVCMとはまた別の情報拡散を狙ったのです。

つまりコア層と一般層によるインターネットのバズで話題を広めるという戦略をとったのです。ここが極めてクレバーでえらいと思う点です。

よくこの映画について「タレント吹替も日本版主題歌もなしでえらい」という声を聞きますが、実際はやりたくてもお金が無くてできなかった、というのが真相だと思います。しかしそれでも安易なモテ根性に走らず、工夫をこらして最新型の話題拡散の手法をとり、それが見事に成功したという点が本当に素晴らしいと思うのです。実際に『デッドプール』はこの宣伝手法によって、R指定で無名のアメコミヒーロー映画にも関わらず初日だけで13万5千人、興行収入1億6千万円という前人未到の大ヒットを達成しました。(『デッドプール』初日、『オデッセイ』を144%超える好スタート!興収1億6千万円)


②映画の内容と関係あってえらい


デッドプール手乗りフィギュア6万名にプレゼント!特別映像ではデップーが8人に

例えばこの入場特典の手乗りデップー。最近はやりのコップのフチ子的なブームに乗った安易なプロダクトと思われがちですが、これがちゃーんと劇中で宿敵フランシスの絵を描くシーンを模しているのです。



「はあ…そうですか」と思われるかもしれませんが、世の中の入場特典や前売り券特典というのは映画の内容とさほど関係ないことが多いんですよ。具体的に何が、とは言いませんが。言いませんが!

(ちなみにこの手乗りデップー、準備数6万個に対して初日の入場者数が13万5,590人と全然足りなくてあっという間に配布終了となってしまいました。ヤフオクでは6月現在2~3000円で取引されています。欲しかった…)


あと、先ほど取り上げた巨大アドトラックの完成お披露目会には曙が登場しました。



全長7メートル巨大「デッドプール」像が大阪に出現!病押して駆けつけた曙も完成度を絶賛

最初この写真を見た時はなぜ曙…デカいからか?と思ったのですが記事に正解が書いてありました。

本イベントでの曙の起用は、原作コミック内で、来日したデッドプールが相撲部屋に入門していたというエピソードがあり、「千代の酒」という四股名まで持っていることから実現。1月に患った右下蜂窩織炎(ほうかしきえん)が再発して緊急入院したという曙は、病院から会場に駆けつけ「どうしても今日のイベントに出たくてきました。(映画は)めちゃくちゃ面白かったです。アクションシーンもすごいのですが、ラブストーリーでもあるのでそこが見どころです」と意気込みたっぷりに語った。
何と原作コミックのエピソードに沿ったオファーでした。細かいよ!でも行き届いてる!
あと病気療養中なのにあんなグロい映画見てイベントにも出てくれた曙ありがとう!


さらに公開直前イベントにはGacktとCreepy Nutsが出演しました。



R-指定、GACKTからお題もらい入魂のフリースタイルラップ

本日5月26日、東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて映画「デッドプール」の公開直前プレミアイベントが開催され、GACKTとCreepy Nuts(R-指定 & DJ 松永)が出演した。
本日のイベントは、劇場エントランスの特設ステージおよび劇場内で実施された。まずは特設ステージのDJブースにDJ 松永が登場し、ダンサブルなトラックをスピン。するとデッドプールとダンサーが現れアクロバティックなパフォーマンスを繰り広げる。さらに映画がR-15指定であることにちなんでイベントに出演することになったR-指定が、「デッドプール」にまつわるワードを盛り込んだラップを披露した。その後GACKTが呼び込まれ、「アメリカンヒーローって言ってもいろんなタイプがいるんですが、初めてこういうタイプのダークヒーローが出てきて。その映画が世界中で大ヒットして、僕的にはすごくうれしいなと思ってます。だいぶ面白いヒーローなのでハマってくれたらうれしいです」と映画についてコメントした。


R-指定にちょっかいを出すデップーちゃん


映画公開記念イベント名物鏡割り。
あっ!よく見たら酒の名前が「千代の酒」だ!細かい!!

R-15指定なのでR-指定を呼ぶという直球なオファーですが、映画の主題歌がヒップホップという点でもナイスチョイスだと思います。しかもTV番組「フリースタイルダンジョン」の出演で若年層や一部のネットユーザーからも支持を集めているR-指定にちゃんとフリースタイルを披露させるという手法が、これこそまさに前述した「コアでニッチな層が喜ぶような宣伝方法」だと感じました。

(彼らのイベント後のインタビューも本当に最高なのでぜひ読んでみて下さい。"Creepy Nuts(R-指定&DJ松永)に映画『デッドプール』の“合法的なトビ方”を聞いてきた" そこそこ映画好きなR-指定とボンクラむき出しのDJ松永の絡みがキュンキュンきます。)


ちなみにGacktさんはなぜ…と思いましたが「映画化をずっと待っていて英語版で先に見てしまった」という発言を見ると単純にこの映画のファンという感じで好感が持てます。世の中にはアメコミ映画の公開記念イベントで「これからアメコミファンになろうと思いま~す」と発言する人もいますから…

この様に一つ一つの宣伝にちゃんと意味があり、手を抜いて適当にやっている感じがしないのです。そこにとても好感が持てました。


③公式アカウントがえらい
デッドプール宣伝で絶対に忘れてはいけないのがツイッター公式アカウントの素晴らしい運営手腕です。

映画の主人公なりきりアカウントというのはよくありますがデップー公式がえらいのは「破天荒キャラを貫きつつちゃんと宣伝している」という点です。

これとかもう完全に担当者の努力の賜物でしょう。


映画の公式アカウントでよくあるのが「面白かった!」「見てきたよ!」みたいな短文感想ツイートまで片っ端からRTしてフォロワーをうんざりさせるという行動パターンですが、デップーはそこも違います。
なんと自分でトゥギャりました。すごい丁寧!


ファンアートや愛のある感想には賞賛を送り、逆に悪いやつは絶対に許さないという態度もはっきり示します。
ゴミのポイ捨てと転売屋は許さないデッドプール!誠実か!

はっきり言ってこんな丁寧で誠実な奴のどこがクソ無責任ヒーローなの?と感じます。まああんまり褒めすぎると公式アカウントが調子に乗るのでこれぐらいにしておきますよ。でも、本当に大好きです。こんなに見ていて楽しい映画公式アカウントは初めてです。映画を見て少しでも興味を持った方は今からでもフォローした方がいいですよ。

(余談ですがデップー公式にリプをもらったことがあるのですが、嬉しすぎて「お、応援してます!」とアイドルの握手会に参加したオタクみたいなことを返信してしまいました。どんだけ好きなんだ俺よ)


④ライアン・レイノルズがえらい

これは完全におまけですがこの映画の主演俳優:ライアン・レイノルズは本当にえらいと思います。

海外では「ライアンが急に日本語喋ったぞ????」とパニックだったようですが、ここまでこの記事を読まれた方ならピンと来るかと思います。デッドプール原作の日本で相撲部屋に入門していたという設定を活かしてわざわざ日本公開前日に日本語ツイートをしてくれたのです。これをえらいと言わないで何と言おうか!!

ライアン・レイノルズはこの映画のプロデューサーも兼ねているので宣伝に乗り気なのはわかるのですが、どんな仕事でも呼ばれれば出演するというフットワークの軽さでも有名なようです。海外でもネットユーザーによる映画評に本人役でちゃっかり登場してます。
【ニコニコ動画】正直なトレイラー:デッドプール(feat.Deadpool)


もちろん日本向けのプロモーション映像も当然本人によるメッセージです。フットワーク軽すぎ!大好きだ!



さらに『X-MEN:アポカリプス』の日本向け宣伝映像にもちゃっかり出演してます。もーどんだけファンサービスするのよ!

こういう型破りで軽妙な行動が取れる俳優がガンガン宣伝に参加するというのもこの映画の魅力の一つだと思いました。

というわけでいかがでしたでしょうか。
まだまだ語り尽くせないぐらいデッドプールの宣伝は映画の内容と同様に魅力にあふれています。

しかし僕がデッドプールの宣伝で最も感動したのは、日本の宣伝班の「金はないけど工夫で面白いことやってやろうじゃん!」という姿勢がまさにこの『デッドプール』という低予算映画のスピリッツとつながっているということです。正直この映画は見ていて明らかに予算が少ないんだろうな…と思う箇所があります。しかしそれでもバツグンに面白い映画に仕上がっているのは製作陣のガッツと工夫と、絶対面白いものにしてやるという情熱があったからだと思いました。その情熱に呼応するかのように気合の入った宣伝を見て僕は本当に感動を覚えたのです。


全ての海外映画の宣伝をこういう風にしろ、と言うわけではありません。こういう風に「どうやったらみんな楽しくなるかな?」と考えることっていいことじゃん、と言いたいのです。芸能事務所や広告代理店の提案を鵜呑みにするのもいいですが、何か面白いこととか、みんなが喜ぶもう一工夫とか考えるのも楽しいと思うんですよね。ほんの少しでもそういう宣伝が増えたらいいなと、このクソ無責任ヒーローの、ふざけて遊んでいるように見えて、実はクソ丁寧で誠実な宣伝を見て思いました。

2016年5月25日水曜日

宣伝が、宣伝を引き裂く―『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の受難



『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』超面白かったですね。

それまで映画を見る習慣がそれほどなかった自分が映画館に足繁く通うようになったのはMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の初期作品『アイアンマン』がきっかけでした。それから毎回新作が公開されるたびに映画館に行って子どものようにはしゃぎながら見ています。特に今回のシビル・ウォーはこれまでシリーズをずっと見続けていてよかった…超楽しい…と見ている間ずっと多幸感に包まれる素晴らしい映画でした。

ところでこのシビル・ウォー、公開されるまでが本当に大変でした。
いや、映画自体は全然大変じゃなかったんです。日本国内の宣伝が、とにかく、本当に大変でした。人災的なものから偶発的なものまで宣伝に関する騒動の釣瓶撃ちで映画ファンやアメコミファンがやきもきする事態が多発したのです。本来こんなことは面白い映画に対して蛇足になってしまうのですが、後世の人達に「こんなことがあったんじゃよ」と伝えるために記録として残しておきたいと思います。

①ディズニー・スタジオ公式アカウントが失言

https://twitter.com/disneystudiojp/status/710028726902378496

\徹底比較/アイアンマンとキャプテンはココが違う!【寝つき編】

 ◆アイアンマン:悪夢にうなされがちでなかなか眠れません。
 ◆キャプテン:70年間も眠れたんだから寝つきがいいハズ。

 #シビルウォー #キャプテンアメリカ

シビル・ウォーの宣伝ということでツイッターのアンケート機能を使ったキャンペーンを行っていた公式アカウントですが…まあリンク先のメンション欄を見てもらえばわかりますが「お前ウィンター・ソルジャー見てねえだろ」の大合唱です。

ディズニーのツイッターアカウントは失言で有名なので今更という感じもしますが初っ端の公式からこんな感じでシビル・ウォーの宣伝は暗雲が立ち込め始めていました。


②米倉涼子さん、記者会見で自身が吹替した役の名前を忘れる

米倉涼子「このたび…、名前を忘れちゃった!」

 女優米倉涼子(40)が22日、都内で映画「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(4月29日公開)のイベントに参加した。
 地球上の危機を救ってきたアベンジャーズのアイアンマンとキャプテン・アメリカの対立を軸に、2つのチームの戦いを描いたアクションエンターテインメント。前作「アベンジャーズ」シリーズなどに続き、米倉は超一流の暗殺者ブラック・ウィドウの日本語版声優を務める。
 この日、小走りで登壇した米倉だったが、あいさつで「このたび…、名前を忘れちゃった!」。同作に登場するキャラクターたちが直前に紹介されたこともあり、「復唱していたら、(ブラック・ウィドウという)自分の名前を忘れちゃった」と照れ笑いを浮かべた。
3/22といえば4/29の公開を一ヶ月前に控えてファンが盛り上がっている時期だったので水を差すようなニュースが飛び込んできたな!という印象だったのを覚えています。

前書いた記事でも触れましたが米倉涼子さんはジョス・ウェドン監督に「私も出演させて下さい」と直接オファーしたり自分の吹替を見て「そこ失敗したな~」と言ったりと自由奔放な発言が多くて見ているこっちがハラハラしてしまいます。

ご多忙の米倉涼子さんが自身が4作続けて担当してきた役の名前をとっさに忘れてしまうのは仕方ないとしても、これを「どう?面白いニュースでしょ?」と言わんばかりに記事タイトルに入れる報道各社のセンスには驚かされました。

米倉涼子、挨拶で役名をド忘れ! 『シビル・ウォー』でブラック・ウィドウ役を続投



こちらの記事をよく読むと製作総指揮のネイト・ムーア氏の目の前での発言だったことが判明してさらに肝が冷えます。


③マーベルカフェ渋谷が映画公開前に終了

「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」渋谷に初上陸!”マーベル・カフェ”限定オープン!!

ヒーロー達をイメージしたスペシャルメニューも今回のマーベル・カフェで登場するということで、その内「スッパイダーマンサラダ」、「シビレル・ウォー!ステーキ」を宮迫さんが、「キャプテンアメリカンリゾットカレー」、「アイアンマンゴーパフェ」を溝端さんが実食し、その感想を宮迫さんは、「(ネーミングについて)大人の方が一生懸命考えていただいたようで(笑)マーベル・カフェというの関係なく、レベルの高い料理にびっくりしました。普通に料理として楽しんでしまいました。」と、ネーミング、見た目、味の3拍子で楽しめるオリジナルメニューを大絶賛!
オープン 2016年3月31日(木)~4月13日(水)
味わい深いメニューのネーミングにも目が行きますが4/13という中途半端な終了日に目を見張ります。おそらくその後のマーベルカフェ大阪オープン(こちらは4/22~5/8)に合わせて日程調整した結果だと思うのですが2週間は短すぎる気もします。実際にアメコミファン・映画ファン+一般層が短い期間に殺到したのか最長3時間という待ち時間の時もあったそうです。まあ、地方在住者には関係のないことですが。


④入場特典が週刊少年マガジン作品とコラボしたポストカード

少年マガジン3作品で“シビル・ウォー”ぼっ発!?人気漫画家の書き下ろしビジュアル公開
 
マーベル・スタジオの新作「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」の公開を記念し、「週刊少年マガジン」で人気連載中の「FAIRY TAIL」「ダイヤのA」「七つの大罪」が映画とコラボ。真島ヒロ氏、寺嶋裕二氏、鈴木央氏が、引き裂かれた友情によって仲間同士が激突する「“禁断の戦い”ビジュアル」を書き下ろした。 
人気漫画家たちが、自身の作品の登場人物たちを2チームに分け、映画のポスターと同じ構図で描写。「FAIRY TAIL」で魔導士たちのバトル×ファンタジーを描く真島氏は、企画に参加した理由を「リリーズのファンだったので!」と明かしており、高校野球を題材にした「ダイヤのA」の寺嶋氏も「シリーズのファンなので即答しました」。冒険ファンタジー「七つの大罪」の鈴木氏は、「マーベル好きだけでなく、大罪好きの方々にも楽しんでもらえたらいいなと思ったからです」と語っている。 
この書き下ろしビジュアルは、4月13日発売の「週刊少年マガジン」に掲載されるほか、入場者プレゼントのポストカードにも用いられる。プレゼントは映画の鑑賞チケット1枚につき1セット、「FAIRY TAIL」「ダイヤのA」「七つの大罪」のいずれかのビジュアルが封入される。全国70万セット先着限定で、なくなり次第終了となる。
先生方の喜びの声とは対照的にネット上では困惑が広がりました。参考:シビルウォーの入場者特典にマガジン連載漫画のポストカードが付いてくるぞ!人々「なんでや」

"マーベルのタイアップマンガはマガジンと契約してるからコラボするけどマーベルキャラは描いちゃダメ"という縛りの結果「構図だけ似せた関係ないマンガのポストカードが付いてくる」という不思議な感じになってしまったのは大人の事情とマーケティングとの妥協点という雰囲気が如実に現れていて日本の映画宣伝はこうでなくちゃ!と思わず唸ってしまいました。

しかしそんなポストカード一枚でシビル・ウォーに興味がない人も来るのかしら…と思いましたがキャラグッズ目当てにコンビニの商品を買い占めたりキャンペーン当日の深夜にコンビニに突撃する人もいるような昨今ではわりと勝算のあるマーケティングなのかなと思いました。



⑤公開前に金曜ロードSHOW!がアメージング・スパイダーマン2作を地上波放送

金ロー、『アメイジング・スパイダーマン2』地上波初放送!「2週連続 スパイダーマン祭り」

人気No.1ヒーロー・スパイダーマンが登場する話題作『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』が、4月29日(金)に公開される。これを前に今回、22日(金)より「金曜ロードSHOW!」にて、「2週連続 スパイダーマン祭り」が放送されることが決定した。 
今回放送することが決定したのは、世界中で愛されるスーパーヒーローの今まで語られなかった“誕生の秘密”を描き、全く新しい革新的なイメージを打ち出した、新スパイダーマン第1弾となる『アメイジング・スパイダーマン』を4月22日(金)に、そして一昨年公開され全世界で記録的な大ヒットとなった、新たな3大強敵が立ちはだかるシリーズ最新作『アメイジング・スパイダーマン2』は翌週29日(金)に地上波初放送される。また『アメイジング・スパイダーマン2』は、大人から子どもまでより多くの人々に楽しんでもらえるよう、放送時間を1時間余り繰り上げ、本編ノーカットで放送するようだ。
わーいアメスパだー!マーク・ウェブ監督好きー!うれしいなーと思う一方で「っていうかシビル・ウォーやるんだから前作のエイジ・オブ・ウルトロンをやるべきじゃね?もしくは2週連続キャプテン・アメリカ祭りにした方がよくね?」という疑問が沸々と湧き上がります。そんなキャップの過去作を愛するファンたちの神経を逆撫でするような金ロー公式のツイートでさらに火の手が上がりました。当時僕もあまりにもひどいと怒りましたがまあ今となっては新しいトム・ホランドのスパイダーマンがとにかく素晴らしかったので笑い話の一つという感じになりました。


喧嘩を仲裁する男、スパイダーマッ!

よく考えたら僕もシビル・ウォー見に行った時スパイディーTシャツで行ってたわ。



⑥日本版イメージソングにEXILE ATSUSHI

「シビル・ウォー」日本版イメージソングはEXILE ATSUSHIが担当

「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」の日本版イメージソングが、EXILE ATSUSHIの「いつかきっと…」に決定した。 
日本人アーティストとして初めて「アベンジャーズ」シリーズのイメージソングに起用されたATSUSHIは、「この『いつかきっと…』という作品は、約5年前、当時のソロの駆け出しの時に本当に心を込めて作った楽曲だったので、そのテーマが今回のこの映画にぴったりはまって起用されたということを、本当に嬉しく思います」と喜びを語る。さらに「『いつの日か』という理想を求める気持ち、そういう希望や理想を捨てちゃいけないなという気持ちは、僕の中にも強くあります。希望を持ち続けていたいという思いが、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』と『いつかきっと…』に、強く通じる思いだと感じています」とコメントを寄せた。 
なおこのたびYouTubeにてテレビスポットも公開。本編映像にあわせ、彼の提案により新たなアレンジが施された「いつかきっと…」をいち早く聴くことができる。

いやあ何度見てもすごい。この企画を通した人にハルクを送り込みたい。
「まさかこれがエンドロールで流れるのでは…」とネット上では戦々恐々とした雰囲気になりましたが、無事オリジナルのエンディングソングが流れることがわかりホッと安堵しました。というかなんでこんなことで戦々恐々としなければならないんだ。

この動画はYouTubeで全世界に配信されたため日本国内の洋画に関するおもしろ宣伝、言うなればお・も・て・な・しの精神がワールドワイドに幅広く認知されたようです。参考:『シビルウォー』日本版TVCMに映ったスパイダーマンに海外ファン歓喜!EXILEのテーマ曲には「fucking music」「シビルウォーをダサくしてくれてありがとう」

とにかく我々の気持ちは映像内でトニーが代弁してくれています。



⑦ジャパンプレミアのレッドカーペットイベントが中止

【重要】「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」ジャパンプレミア中止のおしらせ

これは本当に仕方のないことなのですがイベント数日前に発生した熊本大地震の影響でジャパンプレミアは中止、試写会のみとなりました。やはりこういうことがあるたびに映画やエンタメでワーキャー言ってること自体平和で幸せなことなのだな、と感じます。被災された方々も一日も早くワーキャー楽しめるようになってほしいと願います。


というわけで備忘録的な感じで書きました。どうですか。
あまり多くは言いません。普通に映画が公開されて普通に映画が見れることは本当は幸せなことなのです。だから普通に映画を公開して普通に見させて下さい。


とは言っても映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』は本当に面白い映画です。映画の周辺のことでやきもきすることもありますが映画を見終われば全て忘れてすっきりした気持ちになれますよ。



宣伝が、宣伝を引き裂く。
でもその後は さ、洗い流そ。

2016年5月12日木曜日

オレだって映画宣伝だぜ!! ~知られざる宣伝活動の世界

こんにちは。ビニールタッキーです。

前回『この映画宣伝がすごい!2015』というエントリを書きました。

この映画宣伝がすごい!2015(前編)
この映画宣伝がすごい!2015(中編)
この映画宣伝がすごい!2015(後編)

そこではいわゆる海外映画の、あらゆる意味で"すごい"公開記念イベントを取り上げました。しかしそれ以外にも前売り券特典や日本オリジナルポスター等々、映画に関する様々な宣伝活動が存在します。ここではそれら宣伝活動の世界の一部をご紹介します。

以下にご紹介する物件は僕が趣味で集めている「おもしろ映画宣伝」のサブジャンルではあると思うのですが僕もヒマではないので集めていません。というか数が膨大すぎて集められるかこんなの!誰か収集してくれ。または収集されてる酔狂な方をご存知でしたら教えて下さい。

・前売り券特典
こちらは2014年の傑作ディザスター映画『イントゥ・ザ・ストーム』の前売り券特典です。映画本編の緊張感とはかけ離れた牧歌的なデザインが胸を打ちます。僕はこれがきっかけで前売り券特典に興味を持ちました。

さらに実物を見るとかなりショボ…シンプルなデザインで泣けてきます。

前売り券特典の3強といえば「ボールペン」「ハンカチ」「ストラップ」というのはみなさんご存知でしょう。特に変なボールペンはかなりありがちです。昔親戚がグァム旅行のおみやげとしてくれた微妙なギミックの付いたボールペンを思い出します。

一時期は前売り券特典といえば携帯クリーナーというぐらい一大ブームでした。やっぱり前売り券を購入するような熱心な映画ファンの家には携帯クリーナーが大量にあったりするのでしょうか。


なぜアイマスク…あっ!眠れる森の美女だからか!

実はこの手の特典は映画の規模の大小、ジャンルに関係なく大量生産されているので『別冊映画秘宝 何これ!いらない!とりあえずもらっとく!前売り券特典の世界』というムック本が一冊出せるぐらいのジャンルだと思っているのですが誰かやってくれませんかね。


・ポスター
いわゆる「ダサポスター」と呼ばれる日本版オリジナルポスターも味わい深いものです。これは実際にNAVERなどでまとめられていることが多いのでとても助かっています。個人的には世界各地でそこに住む人たちが好むデザインというものがあり、それに合わせてデザインしているだけなので、その結果日本版ポスターがダサくなるということは我々自身がダサいから、という風に考えています。

それよりも最近微妙にブームになっている「コラボポスター」の方が相当やばいと感じております。


どうリアクションしたらいいのか本当にわからない。

実はこのコラボポスター、海外でも人気のようで例えばスポンジボブやデッドプールが有名映画のパロディをやってる画像などが見られます。それはそれで楽しい物なのですがここ日本では合体事故というか、一体それとそれをどうして組み合わせることになったんだという物件がほとんどで、スポンサーや利権など裏の事情を読み取る頭脳ゲームのような味わいがあります。


何も言えねえ。


はい…


別の映画のキャッチコピーを拝借する荒業!


・企業コラボ

猿の惑星続きですいません。しかしこれは何度見てもすごい。


ロン・ハワード監督は日本での宣伝方法に一度何か言ったほうがいい。


『フューリー』は「こんなハードな内容じゃブラピ主演でも客こねえよ」と判断したのかガルパンや艦これともコラボしていました。





・来日俳優のバラエティ番組出演

来日中の俳優が朝の情報番組やバラエティ番組に出るのも宣伝活動の一環です。お笑い芸人が日本人俳優と同じような扱いでイジったり、和風なお土産をプレゼントしたり、「日本に来て行きたい場所は?」「好きな日本料理は?」と聞くのが慣わしとなっております。


しかし朝の情報番組(めざまし、ZIP等)は逐一情報をチェックしないと誰がいつ出るかわからないため、ツイッターで有志によるキャプチャで知ることがほとんどです。そのためとにかく集めづらい。


こういうのホント誰か集めてほしい…


この他にもツイッター公式アカウント(キャラクターなりきりアカウントから感想をRTしまくって顰蹙を買うアカウントまで様々)や公式ハッシュタグ(例:#マッドマックスヤバい #クリード激アツ #くじらでかい)等々ありますがだんだんめんどくさくなってきたのでここらへんで終わりにします。


前回『この映画宣伝がすごい!』を読まれた方が「映画宣伝ってこんなにあるのかよ…」と嘆いている様子を見かけましたが、あんなものは氷山の一角に過ぎません。あの手この手の宣伝活動は山ほどあります。その何%が映画の興行収入に貢献しているかはわかりませんがね。

というわけで誰か集めてくれ!!

2016年4月4日月曜日

この映画宣伝がすごい!2015(番外編)

こんにちは。ビニールタッキーです。

前回、『この映画宣伝がすごい!2015』というエントリを書きました。

この映画宣伝がすごい!2015(前編)
この映画宣伝がすごい!2015(中編)
この映画宣伝がすごい!2015(後編)

いわゆる海外映画が日本公開される際の「おもしろ映画宣伝」をご紹介しましたが、日々記事を収集する中でこれは本来の意味ですごい!というか、この映画宣伝は少しでも多くの人に知ってほしいぞ!という案件がいくつかありました。

ここでは(番外編)という形で個人的に気になった映画宣伝記事をご紹介します。

まずはこちらから。


肌の色がうつると差別され…ミス・ユニバース日本代表 宮本エリアナが語る差別経験 - シネマトゥデイ

” 黒人差別の歴史を「非暴力」で変革したマーティン・ルーサー・キング・Jr.牧師の実話を基にした映画『グローリー/明日(あす)への行進』スペシャルトークショーが16日、都内で行われ、「2015ミス・ユニバース・ジャパン」の宮本エリアナさんが登場。ハーフとして初の日本代表になったことで注目される彼女は、「わたしがミス・ユニバースに出場したことで『勇気をもらった』と言ってくれる人もいます。(本作から)行動することの大きさを学びました」と自身の過去を振り返った。

  現在21歳。日本人の母親とアフリカ系アメリカ人の父親の間に生まれ、「ハーフであることがコンプレックスで、ずっと自分のことが好きではありませんでした」という宮本さん。「見た目が日本人ではないということで、学校で『肌の色がうつるから、プールに入らないで』と言われたこともあります。友人がハーフであることに悩んで命を絶ってしまい、それを止められなかった自分がもどかしくて。ミス・ユニバースをチャンスと思って、その舞台で人種の問題を訴えたいと思っています」と真っすぐな視線で話す。

 さらに、宮本さんは「昨日、(キャロライン・)ケネディ(駐日米国)大使とお会いして、ケネディさんに『一緒に、何か仕事をしていきましょう』というお言葉をもらいました。わたしも行動で何か伝えていきたい」とほほ笑んだ。また、同席した国連広報センター所長の根本かおるさんが「まるでキング牧師みたい」ともらすと、宮本さんは「(ハーフの)自分を愛せるようになったので、これからもっと『こうしたいということ』を見つけたいです」と今後の夢を語った。”
ハードな過去の経験を真摯に語る宮本エリアナさん。ちなみにこの取材の後12月に行われたミス・ユニバース世界大会で惜しくも入賞は逃しましたが10位内ランクインと健闘したそうです。それにしてもカッコいいなこの写真!





続いてはこちら。インドアカデミー賞14部門受賞作品。

武井壮、仕事がない時代にインド映画に出演 - シネマトゥデイ


” タレントの武井壮が15日、都内で行われたインド映画『ミルカ』公開記念トークイベントに出席。自身の原点ともいうべき本作について語ったほか、来日したラケーシュ・オームプラカーシュ・メーラ監督から貴重なポスターをプレゼントされる一幕もあった。

 1960年のローマ五輪でメダル獲得を有望視されながらも、結果的に国民の失望の声を一身に受けることになったインド人ランナー、ミルカ・シンの壮絶な半生を描いた本作。武井は、1958年に東京の国立競技場で行われたアジア大会のシーンに、ミルカと競う日本代表選手の役で出演している。

 武井の出演シーンが撮影されたのは2012年の春。そのころの武井は「テレビに出る前で暇だった」といい、「そんなときに知人から、映画にエントリーしないかというメッセージがFacebookで来て。リアルなアスリートで、撮影が2週間できる人という条件だった。それでプロフィールを送ってみた」と明かす。

 その結果、見事出演を勝ち取った武井はインドに向かった。「貯金が1円もない状態で、マネージャーから1万円を借りたのに、両替するのを忘れてしまい、1円もなかった。仕方ないので、初日にマーケットに行って逆立ちをしながらクネクネ踊っていたら、隣にいたコブラよりも稼いだ」と笑いながら述懐した武井。結果、その芸で2万円ほど稼ぎ、事なきを得たという。

 久々の再会にメーラ監督も「武井さんにまたお会いできてうれしい。武井さんはレースのシーンをリアルに見せるために、出演者全員を引っ張ってくれて感謝しています」と感激の表情。「日本に来るということで、何か特別な贈り物を」というメーラ監督の好意により、ミルカの直筆サインが入った本作の初版ポスターをプレゼントされた武井は、「この作品に出演した後にテレビで出るようになりました。そこからほとんど休みもなく今につながっています。僕の今の道につながる最初の作品なので、チャンスをいただいた監督には感謝しています。(ポスターを)大事にします」と晴れ晴れとした顔を見せた。”
売れないタレントとインド映画の名匠の再会。お互いの感謝の言葉がグッと来ます。後に武井壮さんも語っていますがその後もミルカとは奇妙な縁があったそうです。



続いては同じインド映画でもこちらは甘酸っぱい青春映画。
リリー・フランキー「マルガリータで乾杯を!」を語る、「甘酸っぱくチャーミング」 - 映画ナタリー

”全国ロードショー中の「マルガリータで乾杯を!」。本作のトークイベントが10月29日に東京・シネスイッチ銀座にて開催され、リリー・フランキー、安藤玉恵、NPO法人ノアール理事長くましのよしひこ氏が出席した。

「マルガリータで乾杯を!」は、体は不自由だがいつも明るい少女ライラの冒険や成長、母親との絆を描いた人間ドラマ。インド人の女性監督ショナリ・ボースがメガホンを取り、ライラ役にはインドで生まれ育ったフランス人の女優カルキ・ケクランが起用された。

“障害者が経験する性への目覚めや恋愛”を主要テーマの1つとして描いた本作。障害者の性に関する情報提供などの活動を行っているくましの氏は「この映画を初めて見つけたのは1年くらい前。自分は障害者なので、こうした映画ではあらを見つけてしまいがちですが、この作品にはびっくりした」とコメントし、「2015年のあいち国際女性映画祭で監督とカルキさんにお会いしました。ご挨拶程度でしたが、自分の活動を伝えることができてよかった。カルキさんいい匂いでしたよ(笑)」と、ユーモアを交えながら当時のエピソードを披露する。

チャーミングな笑顔がライラに似ていると登壇者たちから評された安藤は、「もしもライラのような役がまわってきたら?」とMCに問われると、「いいんですか? やりたい!」と乗り気の様子。本作の感想を求められると「感動しました。嘘がないし、足りないものがひとつもない映画だなと思って。悩んだり笑ったり、ライラの表情1つひとつから彼女の心情がすごく伝わってくる」と瞳を輝かせた。

リリーは「この映画ってものすごいテンポで進んでいくけど、俳優たちに濃密な存在感があるから慌ただしく見えない。『えっ、レズ? ガン?』って、展開はまさにジェットコースタームービーなんですけど」と言い、登場人物たちの劇中には描かれていない部分の生活を想像させられたと語る。また「『マルガリータで乾杯を!』ってタイトルとこういうポスターだったら、絶対ヒュー・グラントが出てくると思うでしょう? なのにこの展開! 障害や性のタブーをテーマに選びながらも、ユーモアがちゃんと描かれていることが素晴らしいと思いますね」と、時折観客の笑いを誘いながらも、真摯な言葉選びで思いを述べた。

さらにリリーは「女性の性欲求を、甘酸っぱくチャーミングに表現している映画はすごく珍しいし新しい。障害のある人は聖人視されがちですが、車椅子に乗っていようが目が見えなかろうが、基本的な欲求はみんな持っているんだということを描いている。バイセクシャルの人も登場するから、いろいろな性意識を知るきっかけにもなりますよね」と話す。その言葉に安藤は「そう! しかもそれがすんなりと入ってくるんですよね!」と大きくうなずき、「私はトイレのシーンが好きですね。すごくぐっときた。幼なじみとキスをするところもいいな。性が描かれているところが圧倒的によかったです。表現がエグくないし、『アメリ』みたいだよって言ったらみんな観てくれると思います!」と本作の魅力を語った。”
障害者の性の話…と聞くと2016年に生きる我々にとっては色々な意味で身近な話題ですがこのようなテーマを取り扱うインド映画はやはり成熟してると感じます。リリーさんと安藤玉恵さんの感想も終始楽しそうでいい。ちなみに原題の"Margarita, With A Straw"は「障害者だとマルガリータもストローで飲まなければならない」というジョークだそうです。主演のカルキ・ケクランさんのインタビューも大変面白いのでご興味があればどうぞ。



最後は実話をベースにしたイギリス映画。

東京ディズニーリゾートで初の同性結婚式を挙げた元タカラジェンヌが幸せアピール! - シネマトゥデイ

” 2013年に東京ディズニーリゾートで同性カップルによる初の結婚式を挙げて話題になった元タカラジェンヌの東小雪と、ゲイで女装パフォーマーのブルボンヌが2日、都内で行われた映画『パレードへようこそ』のトークイベントに出席。二人仲良く、互いのパートナーを紹介し合った。

 イベント後の会見で、「今交際している人はいるんですか?」と問われたブルボンヌがまず「実はおります」と照れくさそうに彼氏の存在を告白。会見場の後ろを指差して、「そこにいます。そこにいる小さいおじさんです。5、6年くらい付き合っています」と50代の交際相手の男性を紹介。すると東も「ちなみにわたしも」とやはり会見に立ち会っていたパートナーの増原祐子さんを紹介。増原さんと二人仲良く薬指にはめた指輪をかざして幸せをアピールした。

 東は「高校2年生のとき、初めて女の子が好きだと気付きました。それまでは周り(の人)みたいに男の子を好きにならなくて、大人になったら好きになるのかなと思っていた。女の子を好きになって初めて自分は人とは違うんだと悩みました。周りには言えなかった」とかつての思いを吐露。

 その上で先日、東京・渋谷区で同性のカップルを「夫婦と同等」と認めて「パートナーシップ証明書」を発行する全国初の条例案が可決・成立したことに触れ、「渋谷区に住んでいるので本当にうれしかった。発行されるようになったらすぐにパートナーと届けに行きたい。夏から秋ごろ発行されるようなので楽しみにしています」とにっこり。増原さんとの結婚生活についても「普通の男女のカップルと変わらない生活をしているんじゃないかなと思います。法律では結婚できないけど頑張っています」と報告していた。”

別の記事でのブルボンヌさんの発言「イギリスでそういうパートナー法が出た時は、エルトン・ジョンが第1号になって話題になった。ぜひ証明書発行の第1号になってください!」にはグッときました。さすがエルトン・ジョン!そしてみなさんもご存知の通りこの後お二人は見事第1号を取得しました。このお二人はどの写真を見ても雰囲気がすごくいいですね。


ここに取り上げた映画は元々知っている作品もあればこの記事に触れるまで全く知らなかった作品もあります。ただ、全く知らない映画の記事でもイベント出演者の真摯な発言や作品に対する愛や熱意が確実にこめられていて、これは見てみたいな、と興味を抱かせてくれます。そして気付くのです。「これが本当の映画宣伝じゃないの?」と。

何も映画の内容について眉間にしわ寄せて熱弁するような映画宣伝ばかりにしろというわけではありません。ただ、出演者も、企画者も、配給会社も「これでいいのか?」「まあこれでいいや」と妥協と打算と場当たり的な感じを抱えたままで宣伝しないでほしいと思うのです。

2016年も人々を笑いと涙と悲鳴と頭痛の坩堝に叩き落とす「おもしろ映画宣伝」が多く作られると思います。そんな中でも真摯に宣伝しようとしている人たちもいるということは忘れずにいたいと思います。