2016年も半年が過ぎてしまいました。ネット上では映画ファンの方々が今年の上半期ベスト10を挙げて盛り上がっております。俺もそういうのやりたい!ということでやってみました2016年上半期おもしろ映画宣伝ベスト10!
「おもしろ映画宣伝」に関する説明については下記エントリを御覧ください。
この映画宣伝がすごい!2015(前編)
この映画宣伝がすごい!2015(中編)
この映画宣伝がすごい!2015(後編)
簡単に言うと海外映画に関する「お笑い芸人や芸能人を呼んでトークさせる映画公開記念イベント」「日本語吹替えタレントによるヒット祈願イベント」「アニメ作品やゆるキャラとのコラボ」等々の案件を指します。
以下に挙げる案件はどれも傑作と呼ぶべき素晴らしいおもしろ映画宣伝ばかりなのでベスト10と言いながら実際は順不同です。ただし1位は絶対コレ!と決まっております。では早速どうぞ!
第10位:『ブラック・スキャンダル』
タレントも観客も薄毛!『ブラック・スキャンダル』イベントは徹底的な薄毛推し
『ブラック・スキャンダル』といえばジェフブリッジスがアカデミー主演男優賞を受賞した『クレイジー・ハート』や傑作クライムアクション『ファーナス/訣別の朝』などで有名なスコットクーパー監督の重厚なサスペンス映画ですが、ここ日本ではジョニデのハゲ頭推しというおちゃらけたムードで宣伝される事態になりました。観客も薄毛の人を集めるという徹底ぶりですがどうも集まりが悪かったらしく客席はおサムい感じだったそうです。ハゲだけに。
しかしまさかスコットクーパー監督も自分の映画の宣伝でGLAYの替え歌が披露されるとは思ってもいなかったでしょう。
第9位:『クリムゾン・ピーク』
おかずクラブ、ホラー映画イベントで恋愛トークを展開! 『クリムゾン・ピーク』公開直前イベント
言わずと知れたギレルモ・デル・トロ監督のゴシック趣味全開のサスペンスホラー『クリムゾン・ピーク』も終始楽しいムードで宣伝されました。
映画のタイトルと絡めて「去年が"ピーク"だった」という話が出たり今年の抱負として「ワンピースの映画の吹き替えをやりたい」と発言して配給会社が違うのでそういう話はちょっと…と指摘されたりしていました。
しかし映画の内容と絡めて恋愛話が出るのはいいのですが成人式の時の写真まで披露されたときはびっくりしました。すごい。この映画ホラーだって知ってます?
第8位:『ジョン・ウィック』
ヒロミ、復活のきっかけは妻・松本伊代
なぜヒロミ…と思ったら主演のキアヌリーブスと同じ51歳だから、ということとヒット作に恵まれなかったキアヌ久しぶりの完全復活作!ということで芸能界に復帰したヒロミとかけているということです。こういうブッキングの意味を考えるのは脳トレみたいでいいと思います。いいと思いたいです。
マイクをガムテで止めただけの手作り感あふれるガンマイクもいいですね。
しかしどの記事を読んでも映画に関する発言は少しだけでほとんどは伊代ちゃんの話や芸能界復活の経緯、B21スペシャルの復活をほのめかす話ばかりでした。
第7位:『ヘイトフル・エイト』
品川庄司&矢口真里“6股騒動”の狩野英孝に言及「『ヘイトフル・エイコー』で良い」
もうブッキングの時点で出オチみたいなイベントですがダメ押しの「ヘイトフル・エイコー」発言で劇中のカートラッセルばりに血反吐を吐き出してしまいました。しかしイベントの中で出た庄司さんとミキティーファンたちとの和解話が思ったよりもすごくいい話でグッときました。
個人的には映画の雰囲気に合わせてテンガロンハットをかぶってきた矢口さんと庄司さんに対して自身の監督作品で『パルプ・フィクション』『レザボア・ドッグス』を引用するほどタランティーノファンを自称している品川さんがかぶっていない点にさすがだな、と強く感心しました。
第6位:『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』
米倉涼子、挨拶で役名をド忘れ! 『シビル・ウォー』でブラック・ウィドウ役を続投
米倉涼子、緊張!?『シビル・ウォー』役名忘れ苦笑い「すいません」
米倉涼子「このたび…、名前を忘れちゃった!」
前に書いたエントリ「宣伝が、宣伝を引き裂く―『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の受難」でも触れましたがご多忙の米倉涼子さんがご自分の役名を忘れてしまうのは仕方ないとして、それを面白がって記事タイトルにしてしまうマスコミには疑問を感じてしまいます。たぶん大多数の一般層はおもしろーいと笑えるのかもしれませんがシリーズファンはあんまり笑えないと思うんですよ。
しかし米倉さんはこの後にもロンドンプレミアに参加してスカヨハやクリスエヴァンスとまるで映画出演者のように交流したり「(レッドカーペットも)3度目になるので、だんだん慣れてきたかな」と消えかけた火に油を注ぐような発言をしたりしてこちらがひやひやしてしまいます。
参考:海外進出もPRばかり?米倉涼子の”レッドカーペット”登場に失笑の嵐
というか米倉さんはマスコミに嫌われてるのか?と思うぐらいひどい言われよう…個人的にはブラックウィドウの吹き替えは悪くないと思っています。ただこれが例えば田中敦子とか榊原良子みたいなプロの声優さんだったらどうだったのかな…と思う時は確かにあります。
第5位:『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』
椎木里佳、コスプレをするなら「キャットウーマン」と即答!
椎木里佳さんをご存じない映画ファンの方に説明しますと女子高生社長の方です(ちなみにこのイベントの時点では高校卒業しているので正確には元・女子高生社長です)。しかし知らなくても安心してください、ご本人も「ぶっちゃけ、バットマンもスーパーマンも一作も観た事がない」と発言しておりますので情報量的にはフェアです。あとこの映画を見たあとならキャットウーマンではなくワンダーウーマンと言ってほしかったな、と個人的には思います。
しかしトークイベントの「女子高生社長の視点から切り込みます☆」という募集要項を見たときは一体どこにそういう需要があるんだと思ってしまいましたがイベントは盛り上がったようなので一安心です。もしかするとブルースウェインが青年実業家とかレックスルーサーが若手社長とかそういうことでかけているのかもしれません。脳トレです。
しかしこのイベントで最も重要なのは彼女の提案する宣伝方法です。「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」— GYAO! (@Yahoo_GYAO) 2016年3月14日
女子高生起業家 椎木里佳トークイベントに25組50名をご招待!!
女子高生社長の視点から切り込みます☆
応募はこちらから!
>https://t.co/w11Ea5clv8 pic.twitter.com/rp2Qsg9Z1c
マーケティングサポートを行うAMFの代表取締役として活躍中だが、本作の宣伝プロデュースをするなら「まず、(芸人などを起用して)“3分でわかるスーパーマンとバットマン”みたいなパロディ動画を作ります。次にパロディ動画に出した芸人さんをアンバサダーにして、(DCヒーローたちのコスプレイヤーを集めて)“コスプレラン”を開催する。みんながコスプレして走ると、SNSで拡散されて認知度が上がる。リアルなものとSNSを組み合わせるのが効果的なんです」とプレゼン。
アイデアは尽きないようで「ロゴがかわいいですよね。自分だったらペアルックを作ります。今、“双子コーデ”とかがはやっているので」と語った。
元“女子高生社長”椎木里佳、「バットマン vs スーパーマン」を宣伝するならこうする!
「貴様のような奴がいるから戦いは終わらないんだ!」とカミーユばりに叫んでしまいそうになりました。
第4位:『X-MEN:アポカリプス』
『X-MEN』史上最強の神に松平健!洋画吹き替え初挑戦
この宣伝については前回のエントリ「なぜだ!謎の大御所吹き替えブーム!」で取り上げました。記事の中でも書きましたが”X-MENを見ている間に八代将軍徳川吉宗の顔がちらつく現象はメチャクチャ面白いので楽しみ”という気持ちでいっぱいです。
記事を書いた後に公開されたアフレコイベントの様子を見るとさすが将軍様、堂々たる声演技でアッパレ!!という感じでますます楽しみになってきました。早く見たい!!
第3位:『アーロと少年』
ぺことりゅうちぇるラブラブをアピール! トイレの最中も連絡取り合う
二人がちょうど新成人ということで晴れ着姿で登場するところまでは理解できるのですが、作品のテーマ「勇気」にかけてりゅうちぇるが逆バンジーでくす玉割りに挑戦!はちょっと急展開すぎてよくわからなかったですね。
でもバラエティ的には最高の絵が撮れているのでオールオッケーだと思います。この写真本当に最高です。映画宣伝業界は「おもろい絵が撮れてナンボ」の世界らしいのでその観点から見れば大成功です。実際この『アーロと少年』もピクサー映画のわりに死とか暴力とかドラッグ描写があったりしてメチャクチャな作品なので合ってると思いました。
お時間がある方は動画もぜひご覧ください。りゅうちぇるの「どうしてこんなことやらなきゃならないの?」は僕も同感です。
第2位:『フィフス・ウェイブ』
ヒゲ面にセーラー服…ニセ女子高生の正体は
「謎の知的生命体が人間に擬態して潜伏している」というストーリーから目隠し当てゲームするというトンチキな企画もいいんですがこの宣伝のキモは藤田ニコルさんが映画を見ないままイベントに登壇したということです。
最後に映画の見どころを聞かれた藤田は「私、観てないんですよね。観たかったんですけど」とまさかの告白。一方のレディビアードは、アザーズが人間に擬態することでサスペンスが生まれていることを称賛したうえで、「ほんとすごいです! たぶんニコルさんすごく好きね!」と完璧なPR。
その後、まだ鑑賞していない藤田をお仕置きするべく追い掛け回し、会場が笑いに包まれる中、二人はそのまま降壇した。
吉本新喜劇か!という素晴らしい幕切れ。この写真も躍動感があって本当にいい。
しかしいくらおバカが売りのタレントとはいえ映画を見ないままPRイベントに出るというのはどうなんでしょうか。もしかするとおバカキャラのイメージ戦略として事務所から見るな、と言われたのかもしれませんがクロエモレッツのファンと発言するならぜひ見てからにしてほしいと思いました。
一方のレディビアードはちゃんと鑑賞したうえで慣れない日本語でしっかりコメントして、さらに見ていないニコルさんのフォローもしていて好感が持てました。まあ映画を見てコメントするって公開記念イベントでは普通のことだと思うんですけどね…
さあ、というわけでやってきました2016年上半期おもしろ映画宣伝ベスト10。ここまでは順不同なのですが1位はこれでキマリです!どうぞ!
第1位:『ターザン:REBORN』
狩野英孝、“世界一美しい新ターザン”とイケメン対決!? まさかのデュエットも実現
全映画ファンがずっこけた、と言っても過言ではないこのイベント、ふたを開けてみれば狩野英孝からのすべり芸披露や「翼をください」をデュエットで歌うなどの無茶振りを全て受けたアレクサンダー・スカルスガルドの株が爆上げになった素晴らしいイベントでした。この写真も見事な対応っぷりです。
特にアレックスが退席した後の狩野さんのコメントが秀逸です。
コメント欄では「対応が神…」「カッコよすぎる!映画、絶対観に行きます!」と別れを惜しむ声が続出する中、アレクサンダーが退場すると、狩野さんは「いや~、すごかったな…」としみじみ。
「ハリウッドスターなのに、企画も全部乗ってくれて本当に優しい! すごく良い方。彼のこと勘違いしてました。もっと気取って『ターザンやってますけど何か?』的な感じの方かと勝手に思ったんですが、全然違った。一緒に歌った時、目を合わせてくれたんですが、本当に瞳に包まれそうだった。僕が女性だったら間違いなく惚れてますね」と吐露。
MCから「最初はイケメン対決だったのに」と追及されると、「いやもう今日からは彼の大ファンです!」と、すっかり“新ターザン”に魅了されていた。
めっちゃわかる…この神対応なら誰でも惚れるでしょうが!!もしお時間があればこのイベントの様子もご覧ください。51:00あたりから狩野英孝の瞳を見つめながらふわふわした日本語で「翼をください」を歌ってくれるアレックスが見れますよ…最高かよ…
このほかにもアレックスはLAプレミアを訪れた桐谷健太に「(今度来日した際には)銭湯めぐりを一緒にしよう」と桐谷健太の趣味をふまえたコメントをするなど本当この人…素敵…尊い…という気持ちになります。
以上です。いかがだったでしょうか。